一般にDJというと、ラジオやクラブなどでレコードを選曲・演奏する人、あるいは、そうしながら語ったり、自らちょっぴり歌ったりなどのパフォーマンスで聴衆を楽しませる人を指しますが、ジャマイカのサウンド・システムの興行においてDJは、そのような範疇を超えた「DJトースティング」と言われる新たなパフォーマンスへと発展し、その結果、レゲエの文脈でDJと言えば、ヴァージョンやバンドの演奏に乗せてトースティングする(独特な節回しで、メッセージを歌うように語るというか、語るように歌う)アーティストのことを言うようになりました。 ヒップホップで言うところのラッパーやエムシー(MC)に当たります。
レゲエのサウンド・システムの興行においては、話術で客を鼓舞して会場を盛り上げる人をエムシー(MC)と呼び、レコードを回す人をセレクターと呼びます。しかし、レゲエ専門じゃない世界と接する際には、コミュニケーションの都合上、セレクターをDJと呼ばざるを得なかったりすることもあり、DJは何かと混乱の多い呼称です。
大変ややこしくてすみません。